農政トライアングルの崩壊と官邸主導型農政改革 〜安倍・菅政権下のTPPと農協改革の背景〜
作山 巧 著 第2次安倍政権では、自民党農林族・農水官僚・農協から成る農政トライアングルが崩壊し、TPP締結や全中解体のような農政改革が首相官邸主導で実現した。その背景にある地殻変動を、TPP参加協議にも従事した元農水官僚の研究者が明らかにする。 A5判/125頁/定価1,980円(本体価格1,800円)/2021年9月刊 ISBN978-4-541-04339-9
目 次 まえがき 第1章 本書の課題と接近の方法 1.本書の課題 2.接近の方法 3.本書の構成 第2章 農産物貿易自由化の経過 1.日本の農産物貿易の特徴 2.ガット・WTOでの貿易自由化:1990年代まで 3.FTA・EPAによる貿易自由化:1990〜2000年代 4.メガFTAによる貿易自由化:2010年代 5.まとめ 第3章 安倍政権下のTPP妥結の要因 1.日豪EPAとTPP協定の比較 2.日豪EPA交渉の政策過程 3.TPP交渉の政策過程 4.まとめ 第4章 農協改革の経過 1.農協の概要と問題点 2.農水省主導の農協改革:1992〜2004年 3.規制改革会議による農協改革の提言:2001〜2012年 4.官邸主導の農協改革:2013〜2016年 5.まとめ 第5章 安倍政権下の農協改革の要因 1.小泉政権と第2次安倍政権の比較 2.小泉政権下の農協改革 3.第2次安倍政権下の農協改革 4.まとめ 第6章 安倍政権下の農政改革の背景 1.農政改革の背景に関する3つの仮説 2.農業の構造変化 3.統治機構改革 4.安倍首相の理念 5.まとめ 第7章 官邸主導型農政改革の功罪と展望 1.官邸主導型農政改革の功罪 2.官邸主導型農政の展望 あとがき